自動車免許取得を一瞬で諦めた話

2017年3月頃、僕はある選択を迫られていた。

一人暮らしをやめる。
もしくは普通免許を取る

一人暮らしをする財力はとっくに底をつき、生活費は親からの仕送りで賄っていた。

当時の僕にはまるで生きる気力がなかった。

毎日限界まで寝て、眠れなくなったらシャワーを浴びてご飯食べ、2ch見て、眠気を感じたらまた限界まで寝ていた。

正直言ってこの世から消え去りたかった。

やりたいこともないし、日々楽しいこともない。
ゲームを起動する元気すらなかった。

その上アトピーで全身ガッサガサ!
ガッサガサだよ!って感じでストレスがマッハだった。

そんなある日、我が家(一人暮らししている家)の契約更新の時期がやってきた。

二ヶ月に一度ほど、母上様がうちにやってくるのだが、こんな会話をした。

母「家の契約更新どうする?続けるの?」
僕「はい」
母「いつになったら働くの?」
僕「そのうち」

何度交わしたか分からない程したやりとりだった。

母「このままなにもしないなら実家帰ってきな、家賃の無駄だよ」
僕「そうですか(無関心)」
母「とりあえず免許でも取ってみたら?気分変わるかもよ」
僕「いや、どうせ使わないし・・・」
母「じゃあこっち帰ってくる準備進めてね」
僕「免許取ります

こうして自動車教習所に通うことになった。
僕の中に帰る選択肢はなかった。

引っ越し準備がなによりもめんどくさい。
実家に帰っても結局働かないといけないので、どうせ働くんだったら一人暮らしの方が気楽だと思う。

この時僕は、「やりたいことが何もなくてもとりあえず自分の居場所(家)は守らないといけないのかも」とぼんやりと思った。

前置きのほうが長くなりそうで困る。

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4月の教習所めっちゃ混んでる問題

本来なら3月から通うはずだったが、アトピーがひどすぎて、とても外に出られる状態じゃなかった。

とりあえず皮膚科に通って4月に入学すると母上様にも説明していた。

症状が落ち着いてから(晴れて?)自動車学校に入学した。
入学と言っても試験があるわけでもなく、ただ受付で書類書いて金を渡すだけである。

強いて言えば視力検査したくらいかな。
ちなみにお金は、婆ちゃんが出してくれた。

入学当日はプログラムの説明があった。

技能教習と座学があること、期限は9ヶ月であることくらいしか覚えていない。

技能教習は車の運転技術。
座学は交通ルールの勉強。

僕は「週1で通って間に合うかな」となるだけゆっくり通って、ニート期間を引き伸ばすことしか考えていなかった。

あと、技能教習は予約が必要で、受付の端末を使って予約をしないと教習を受けられないことが告げられた。

くっそ面倒そうだな」と僕は思った。
予約とかリア充がすることだろ・・・

しかも今現在予約がとりにくくなっていることが説明された。

帰り際に試しに予約状況を確認してみた。
確かに来週までの予約が既に全て埋まっていた。

再来週以降の予約は、来週にならないとできない仕組みのようだった。

僕は免許を取るのを諦めた。
完。

と思ったのだが、とりあえず座学から始めた。
ついでに予約状況を確認しつつ空きがあったら入れる方針にした。

教習所内で時間を潰し、予約キャンセル待ちもできるらしいのだが、僕はやらなかった。
面倒くさいし、抽選になるし、そもそも免許取る気あんまりないし

嫌々来ているだけなのでそんなやる気はどこにもなかった。

座学は講師の話を聞きながら、もらったマニュアルに線を引いたり、動画を見たりするだけのものだった。

動画に出てくる「お姉さんがきれいだった」という記憶しかない。
黙って話を聞いていることだけは得意だった。

ニートに車の運転不可能説

5月になってからだっただろうか。
初めて技能教習を受けることになった。

マニュアルを見たり、youtubeで動画を見たりしてイメトレしてから臨んだが、車内が予想と全然違っていて余計に混乱した。

エンジンのかけ方やらアクセルとブレーキの踏み方やら色々説明されたが、「一度で理解できる奴いるのか?」という状態だった。
全く頭に入ってこない。

5分か10分程で説明は終わり、教習所を1週した後、僕が運転することになった。
「えっもう?」と思った。

最初は駐車場をゆっくり周る事になったのだが、車ってアクセル踏まなくても進むんですね。
こわいこわい。

必死にハンドル回してなんとかやり過ごした記憶がある。

しかし問題はコースに出てからだった。
真っ直ぐ走って、カーブ曲がって、また真っ直ぐ走るだけなんだけど、これがめちゃくちゃ難しかった。

なんというか、自分がどこを走っているか把握できない感じだった。
ハンドルもどこまで回して、どのタイミングで戻して、どれくらいのスピードで回せばいいのか分からなかった。

そのままテンパりつつコースを何周かすると終了時間になった。
コースを出て、駐車場に止めてもらい、初めての技能教習が終わった。

とりあえずこの時点で自信喪失した。
元々なかったけど、さらに無くなった。

その後、相変わらず予約は埋まっており、次の技能教習は1ヶ月後だった。

正直「もう行かなくていいかな」と思っていたが、1回でやめるのは流石に雑魚すぎると思い、勇気を出して予約を入れた。

僕は講師を固定していなかったので、前回と別の講師が来た。

前回どのあたりまでやったか、うまくできたかどうか、そんなカウンセリング的な事を受けてからコースに出た。

当然ながら、前回の終盤よりも運転できなかった。

感覚を取り戻し、なんとか周りきれるようになると、次のステップに進んだ。

視線を前方へ、白線からはみ出さない、真っ直ぐ走る、スピード出す、ハンドル操作がどうこう、対向車に注意する。

そんな注意を30分間程受け続け僕はパニック状態に陥っていた。
全身汗でべちゃべちゃになり、喉は乾くし、一旦止まって冷静になりたかったが、なぜか言い出せなかった。

とにかく、「遠くの方に視線を上げて運転する」というのが僕にはできなかった。
無意識の内にボンネットの辺りに視線が定まってしまう。

普段から下向いて歩いてるから、正直無理ゲーだった。

そうしてパニック状態のまま教習は終わった。
講師に「流石に1ヶ月経っちゃうと忘れちゃうでしょ?忙しいかも知れないけどなるべく間を空けないほうがいいよ。」的な事を言われた。

僕は思った。
全く忙しくないんだよなあ・・・

そして、「何故お金払って(自分は払ってない)嫌な思いをしないといけないんだろう」と考え出し、教習所に通うのをこんどこそやめた。

普通免許取得を諦めたあと

やめたことを正当化するために「バイトでもするか」と決心し、データ入力のバイトを始めた。

受からずに「頑張ったけどダメだったよアピール」したかったが、何故か受かってしまった。

履歴書を書くのが面倒だったのでPCで作成し、間違えてA4サイズ(見開きA3サイズ)で印刷してしまったものの、直すのが面倒だったため、そのまま面接に臨んだ。

面接内容はあんまり覚えていない。

計5年近くニートしてた奴が好印象を与えられたはずはない。
真実の混ざった嘘をいい続けていたと思う。

タイピングのテストの成績が良かったのかも知れない。
一応タッチタイピングはできるし、僕が唯一常人並にできる事の一つだ。

それから数ヶ月経ち、教習所から手紙が届いた。

「受講できる期限が迫っています。お早めにどうぞ!」的な奴だ。

もう行く気が一切無くなっていたので無視していた。
しかし、そのうち電話がかかってきた。

まあ、案の定催促の電話だったので、行く気がない事を伝えた。
すると、退学手続きをするといくらかお金が戻ってくる事を教えてくれた。

教習所のHPにはどこにもそんな事は書かれていなかったので、僕は驚いた。
「精々2,3万円かな」と思っていたら半分近く戻ってきて、さらに驚いた。

僕は馬鹿なので「ラッキー!儲かった!」と思いましたとさ。

めでたしめでたし。

コメント

  1. 山崎五郎 より:

    自分は教習所卒業して本免試験受けたけど二回落ちました(半ギレ)
    正直免許なんて自分の身分証明のためにあーだこーだで必要になるだけだし無理してとる必要ないんじゃね?と最近考えてます

    • なべぶたなべぶた より:

      山崎五郎さんコメントありがとうございます
      最終的に受かったんでしょうか?!
      僕は将来必要になった時に取ればいいかなあ、と楽観的に考えてます(取れるとは言ってない
      今は写真付きの身分証明書もマイナンバーカードで補える場合も多いですし